平成23年度予算への意見表明

23年度予算に対する会派意見(3月29日)

新風21として、23年度各会計予算に対し賛成致しますが、なお、今回の予算審議を通じて明らかとなった課題への対応と意見、そして要望を申し述べます。

今回の予算に賛成することは、苦渋の選択です。では何故、賛成するか、ということを申し上げます。

まずは、行政の継続性です。区行政は様々な分野で区民生活を支えており、一日たりとも、それを止めるわけにはいきません。議員としての責任もあります。

もう一つの理由は、行政をなんとか信頼していきたい、ということです。 私は、世田谷が大好きです。でも、区民は、区役所を選ぶことができません。ですから、今の区役所を信頼していくしか、道はないのです。

そのことから、23年度予算には賛成いたします。

しかし、問題があります。

出張所改革については、区に、改革が地区の力を落とさないように様々なことを質問し、区は実現するといわれましたが、そのほとんどができていません。それを今回の予算質疑で、区は認めました。それなのに、何らの改善策をとろうとしません。区の姿勢に失望しました。

単に、私が個人的に失望することは、大したことではありません。私は、出張所改革がなされようとした時に、議会でも質問し、その答弁が一応、納得できるものである、区の姿勢を信頼しようということから、結果的に、区の案に賛成しましたが、今となってみれば、果たしてその判断は正しかったのだろうか、ということです。

今回の大災害においても、やはり、地域の身近な関係こそが、生き抜いていく上でも、もっとも大切なことであることが再確認されたのです。

ここに至って、私は申し上げたいのです。地区の力を最大限に発揮することが、今の世田谷にとって、もっとも重要なことであるし、地区の中で、見えなくなってしまった、旧出張所、現在のまちづくりセンターを、区民のために、強化していくことが必要なのです。

そのために、今予算委員会においても、見直しを求めましたが、区の明確な姿勢は見られず、とても残念に思います。このようなことから、区行政が、信頼に足るものであるのか、疑問を持つのです。

これまでの出張所改革については、見直すべきと考えます。

私は、自分の主義・主張に責任を持ちたいのです。これまで、何年間にもわたり、地区での行政のあり方について、区の取り組み方に疑問を投げかけてきました。しかし、改善されてきません。なおのこと、まちづくりセンターなるものの姿が日々、見えなくなってきています。

今回の大災害を考えて見ますと、一刻の猶予もならないのです。地区レベルで、ますます関係が希薄になりつつあります。今、その流れを食い止めなければ、世田谷は、どうなってしまうのでしょうか。直下型大地震が起きたときに、どう対処できるのでしょうか。

私は、どのようなことをしても、地区の力の向上を実現させたいのです。区役所をあげて、抜本的に取り組んでいただきたい、そのことを強く要望いたします。

そして、さらに、まちづくりにあたっては、『歩いて暮らせるまちづくり』こそが必要です。

これまで、区に対して、あるべき『まち』の姿を、区民に明らかにすべきであると申し上げてきましたが、明確なお答えがありませんでした。そこで、私は、あるべきまちの姿として、これまでの経験を踏まえ、『歩いて暮らせるまちづくり』ということを申し上げ、提案し、区に答弁を求めました。

その答えが、「そのようなことは、今後、作り直されるであろう区の基本構想を策定される際に、検討するべき課題である」といわれたのです。私は、とても、驚きました。このようなことを、突然、区の憲法でもある基本構想レベルの課題に祭り上げてしまうとは、・・これは、実際には、取り組まない、という宣言と同じではないでしょうか。まことに、現在の区の姿勢が、人任せ、評論家集団ということの表れだと思うのです。

今こそ、世田谷の魅力として、「歩いて暮らせるまち」ということを大きな目標として、すぐにでも、取り組むべきです。『高齢者の方々でも歩いていける範囲内に、日常の基礎的な生活を支える様々な機能がある、それが、世田谷です』、というまちづくりの将来目標を、区民に提案し、区民とともに、必要な施設機能を考えていくべきです。

熊本区長は、区民の生命と財産を守る、と宣言され、安全安心なまちづくりを進められるといわれました。そして、『世田谷から、東京を、日本を変える』と言われたのです。本当に素晴しい言葉でした。これを聞いたときには、本当に、心が晴れ晴れとし、希望が持てたのです。希望ということは、本当に大切なことです。

しかし、実際の実務はどうなっているのでしょうか。今回の大震災においては、まず、区が消極的な姿勢に徹しているのです。『大災害で、大変な被害が起きているところ、これまで、様々なお付き合いがあり、区民同士も知り合っていたような地域への支援はしないのですか』、と伺ったところ、なんと、『いちいちやっていては、きりがないです』とのお答えでした。『いちいちやっていてはきりがない』、とは、少しは何かをやっている人の言う言葉です。区は、率先して何もやろうとはしていないではないですか。

私は、世田谷区職員を信頼したいのです。しかし、区行政の方針が見えません。区は、何を守ろうとしているのですか。たとえば、区民が、『自分たちの生活を守るためにこうしてほしい』といっても、『今回の大災害で、本当に困っている人がいる、だから、自分たちは少し我慢しても、世田谷として支援しようではないですか』、ということを、区民に広く呼び掛けるのが区役所、区長の役割ではないでしょうか。世界中の人々が、手を差し伸べようとしている中で、なぜ、世田谷が積極的に動かないのでしょうか。このようなことでは、区民の信頼をなくします。

補充質疑で申し上げたように、ある区民から言われました。「もっと、頼れる区役所が欲しい」と。待ちの姿勢が問題なのです。まちづくりの『まち』ではありません。受身の姿勢が問題なのです。ぜひとも、改めていただきたい、職員の創意工夫が実る自治体、前向きな自治体であってほしいと考えます。

さらに、安易な区民参加は、疑問です。
まずは、区が、自らの考えをはっきり打ち出すべきなのです。

また、区は、教育委員会も含めて、評価ということに細心の注意を払うべきなのです。中途半端な評価は物事を混乱させるだけです。

そして、私は、『お元気高齢者』をしっかりと区が受け止め、人生をしっかり生き抜いてこられた方々が、地域で、尊重される、暖かく包まれる、このような『まち』が望まれるはずです。

そのためには、従来の区が行う、福祉施策ではない、新たな仕組みが必要なのです。今回の、区が提案する、高齢者に対する、4つの施策、多様な施策を重層的に展開していく、ということは、とても疑問に思われるのです。区がやることは、もっとシンプルでなくてはならないのです。区民が混乱するだけだということがお分かりにならないのでしょうか。ぜひとも、「お元気高齢者」をしっかりと受け止める施策を創り出していただくことを要望します。

このことについて、改めていただくことを前提に、予算案に賛成することといたします。