平成26年度各会計決算への意見表明

せたがや希望の会として、平成26年度各会計決算について、賛成するにあたり、意見を申し上げます。

厳しい経済情勢の中で、実質単年度収支の黒字を確保したことは評価いたします。

施策については、地域包括ケアの推進など、将来に向けての重要政策や、子ども若者関係での一部の事業など、評価すべきものもありますが、全体として、新たなビジョンや理念が感じられず、今後の世田谷区政がどのような方向に進んでいくのか、全く心配です。

まず、本庁舎問題です。財政を担当する政策経営部門が今後の公共施設について具体的に建物の数を減らし更に改築後面積を10%減らすという「骨太の方針」を出したちょうど同じ日に、総務部が、面積2倍の分散型本庁舎の整備案を提出する、という事は、一体、区政運営はどうなっているのでしょうか。

どのような意見にもそれなりの理由があると思います。

しかし、その様々な意見を調整し、優先順位をつけることこそが政治の役割と考えますが、その前提として、区役所の中がバラバラではお話になりません。

しかし、さらに根本的な問題は、今の区政には、理念・ビジョンが無い事です。

本庁舎がどうあるべきか、という大切なことに対して、コミュニティと災害対策としての広場の設置と現庁舎の保存だけの話では余りに貧弱です。本庁舎はなんのために建替えるか、という理念がないのです。

物事を決めるためには、様々な観点からの議論が必要です。その議論をさらにきちんと後の時代に残しておくことが、今の時代を生きる私たちの使命です。

もし、なんらの議論がなされず、広場と景観重視の本庁舎が整備された場合、次の世代の区民に向けて、なんと説明すればよいのでしょうか。区民だけではありません。40年、50年後の区の職員が、バラバラに分かれている庁舎を飛び回る、そのようなことを未来の職員に向けてなんと説明するのですか。

現在の私たちの判断は、次の世代の区民、そして将来の区の職員の皆さんへの責任もあるのです。

本庁舎問題は、ここで、多少立ち止まってでも、理念、ビジョンを区民と共に創り出すべきです。

総合窓口も問題です。補充質疑において、ある委員が、「総合支所における総合窓口の確立により区民に切れ目の無いサービスを提供し、ここに相談にきた住民が着実にサービスにつなげられることが求められる」と言われましたが、違います。

区は、支所の総合窓口を、「申請窓口の総合化」といい、区民サービスの向上といっても、手続き事務のみを言っているのです。

担当部長の答弁は、そのことには触れず「総合窓口の検討の中で整理する」とだけ言い、総務部長は、本庁舎のあり方について答弁で「今後の地域行政の展開、中でも本庁と総合支所の役割分担を考慮する」と言われたが、違います。

相談は、「地域包括ケアとまちづくりセンターの充実」のなかで取り扱われることから、「本庁と、地区との役割分担」こそが重要であるはずです。

これは、区のそれぞれの報告書を良く読めばわかるはずです。

であるのに、区は、検討の順番を逆にし、本庁舎の規模から決めようとしている。

先ほども申し上げましたが、私たちは、将来の区民の生活と将来の職員の仕事振りに責任を持っているのです。

国が、マイナンバー実施に伴い、コンビニでの証明書交付を行う、ということについて、区は、なんらの考えもなく、追従している、コンビニがどこにあるかも、コンビニ以外の施設機能の活用も考えずにです。

全く、今の区には、区民の視点がありません。

区民不在です。

区民参加については、地域行政制度というものがありながら、それを活用せずに、車座集会が区長と特別職の勉強会となっているようでは、税金の無駄遣いです。

車座集会の見直しを求めます。

今後の人口推移、財源の観点も見据えた、総合的な、理念、ビジョンに基づく、全体的な見直しを求めます。

個別政策についても、新たな積極的な取り組みが見られないことが問題です。

地域包括ケアの充実を図ることから、関係部門での情報共有のためのITなどを活用した仕組みづくり、マイナンバー制度のセキュリティ対策を充実したうえでの地区レベルでの活用、オープンデータの活用など、新たな時代に即した展開が是非とも必要なはずです。

災害時において、区は、自助、公助、共助といわれますが、では、その一つの要素である、消防団の位置づけ、支援については、充分とは言えないのです。早急な対応が必要です。

保育園待機児対応も、従来の手法を超え、定期利用の更なる活用や、小規模保育施設候補物件の検査済証が無い場合の法適合性調査の活用などできるところから、早急に対応すべきです。

子どもの貧困対策等については、保坂区長も前向きな姿勢ですが、さらに離婚後の子どもの養育支援や児童養護施設退去後の居場所支援等については、特に地域の関係団体、これまでの活動などに配慮しつつ、着実に進めていくべきです。

外環道整備については、国の事業とはいえ、何よりも地域のまちづくりの一環として、立ち退かざるを得ない方々への配慮や、道の駅など新たな賑わい創出のしくみづくりなど、今後の南進への展開も視野に入れた区としての主体的な対応が必要です。

区内大規模団地の建替えについては、まちの将来像をしっかりと明示し、具体的な建替え完了までの手順等について明らかにし、関係機関との協議等に細心の注意を払い、着実に進めていくべきです。

世田谷の教育については、区民の義務教育に対する思い、要望等をしっかりと受け止め、特色ある教科日本語の更なる充実や、主権者教育、更には、時代に即した、ICTを活用した子どもの意欲をかきたてる魅力ある授業の充実に向けたしくみづくりを行うべきです。

世田谷区政には、理念、ビジョンとそれを実行するための整合性のとれた政策こそが必要です。

このところの施策がいわば思いつきの積み重ねのように感じられ、これでは、区民が右往左往するばかりです。

次の世代の区民、職員のためにも、しっかりしていただきたい、と申し上げ、意見といたします。