第2回定例会での一般質問

はじめに

今回は私の質問・発言を全文掲載します。
文字が多くなりますが、ぜひお読み頂き、私の思いをご理解頂ければと思います。

一般質問(6月17日)

出張所・まちづくりセンターの機能の充実について

小泉質問

保坂区長は、選挙公約において、「出張所・まちづくりセンターの機能を強化します」とされました。

しかし、その具体的な内容が示されておりません。

さらに公約で、「来年度までに、全27地区の出張所・まちづくりセンターに身近な福祉の相談の窓口をつくります」とされました。

これらは、単なる思い付きやばら撒き施策ではないはずです。

では、どのような基本的な考え・理念から導き出されてきたのか、それが問題です。

地域保健福祉審議会が、これまでの手法を変更し、身近な地区において基本的な福祉保健サービスを行っていく、と示されたことが、まず基本にあるはずです。

区は、この基本を理解していないと感じます。

ですから、総合窓口を総合支所で行う、とされてみたり、地区を支える児童館を機能分断し、区民を混乱させるのです。

理念を持たず、単なる実務を行おうとする今の区政の姿勢が問題です。

今回の地域行政推進本部からの膨大なページを持つ報告書においては、本来のビジョン、あるべき姿については、何も言っていません。

これからの地域社会にとって、身近な「地区」がいかに重要か、歩いていける範囲内で基本的な生活が成り立つこと、そして、認知症になっても安心して暮らしていける、そのためには、区民生活を支える行政の仕組みが、地区を基準としていかなければ成り立っていかない、そのことを、再三申し上げていますが、区はその総合的な考えを明らかにしていません。

明らかにしていないのではなく、そのような考えを「持てない」のではないか、と感じます。

人員が足りないといわれます。

人材については、地域・地区で再配分すべきと申し上げています。

区長は、『いかなる理念にもとづき』出張所・まちづくりセンターの機能を充実させると言い、『具体的に』何をなされるのか、お考えを伺います。

保坂区長

88万区民を支える自治体の責任者として、二期目に入った現在でございますけれども、これまで以上に区民を支えるコミュニティの形成を念頭に、引き続き地区の強化の取組みが必要だと決意を新たにしているところであります。

選挙にあたりまして示した政策パンフには、区民に身近な行政へ、全27地区の出張所・まちづくりセンターの機能を強化し、参加と協働の地区行政の拠点にします。公共施設を区民がより幅広く利用できるよう、体制を整えます。本庁から5つの総合支所に、身近で必要な予算・権限を移しますと書いております。

具体的には、27地区の出張所・まちづくりセンターに、より区民に身近な行政拠点となるように、情報集積や情報の相互の発信し、また、受け止めていくネットワーク、また、それぞれ地区で活躍する人たちが、出会い、つながる拠点の役割を持たせていきたいと考えております。

身近な福祉の相談の窓口を足がかりに、地区の人たちが、だれもが気軽に訪れることを通して、地区に存在する様々な課題に直接向き合いながら、共に力を合わせて取り組んでいく、その拠点にしてまいりたいと考えております。

こうした問題意識を持ちながら、来月から数ヶ月かけて、27地区の車座集会、地区に即して開催いたしますので、こうした理念を住民の皆さんにお話をして、ご意見をいただきたいというふうに考えているところでございます。

また、そのためには、総合支所におきますバックアップも非常に必要です。社会保障・税番号制度の進行状況なども見定めながら、出張所・まちづくりセンター、そしてこれを支える総合支所の組織や体制を見直して、超高齢化時代に向けて、地域・地区で行政課題がしっかり受け止められるよう、地域行政制度の充実に向けて改革を進めてまいります。

たま子コメント

質問は、『いかなる理念に基づき』出張所・まちづくりセンターの機能を充実させると言われるのか、ということと、それでは『具体的に』何をなされるのか、ということでした。区長の答弁は、一応のことを言われているように見えますが、実際には、これまでの区の検討経過を積み上げてみたものでしかありません。区は、区役所、総合支所―総合支所―出張所・まちづくりセンターという順番で物事を考え、その関係や連携のことだけを問題とされているのです。

私は、これからの区民生活にとっては、身近な出張所・まちづくりセンターがすべてであって、支所や本庁のバックアップ体制などは、明らかに区役所内部のことであって、区民とは直接、関係ないはずです。私は、これからの行政の仕組みを区民生活にもっとも身近な地区から作り直していく、そのためには、基本的な考えも見直していく、このようなことが必要だと考えています。この観点からすると、区長以下区職員の考え方というのは、旧来の考え方から一歩も前に出ていないように思われます。

総合窓口と、マイナンバーの関係について

小泉質問

総合窓口と、マイナンバーの関係について伺います。

マイナンバーについて、支所での総合窓口構想と連携させていますが、この二つは全く異なるものです。

国は様々な利便性を検討、提案しているようですが、区の全体のビジョンが見えません。

マイナンバーの実施を契機に、総合支所に総合窓口を設置する、とされますが、区側の説明も、途中で、総合窓口とは名ばかりで、「申請窓口の統一化」と変更され、さらには、その申請も当面、住民記録関係のみ、ということでは、一体、何が総合の名に値するのでしょうか。

区は福祉について、既に地区レベルでの対応を想定していることから、支所レベルでの総合窓口なるものは、無用の長物以上に、区民を混乱させるものです。

さらには、証明書のコンビニ交付にあたり、これまでの出張所・まちづくりセンターでの証明書自動交付を廃止しようとしています。

全く、どのような理念に基づいてこのようなことをしているのでしょうか。

申請は総合支所に出向かせ、証明書はコンビニに取りに行かせ、子育て家族と中高校生は、別々の児童館に行かせようとするのです。

全く、区は理念なくバラバラの作業を行っているだけです。区民が迷惑します。

「あれば便利だ」というような考えに乗るほど、区は余裕があるのでしょうか。

原理原則、理念を明らかとすべきです。

区は、全力を挙げて、地区レベルでの区民対応に取り組むべきですがお考えを伺います。

萩原地域行政部長

私からは、総合窓口とマイナンバーの関係についてお答えいたします。

区の窓口業務においては、これまでも区民の相談等を真摯に受け止め、特に出張所においては、届出等の総合的な窓口機関としての役割を担い、申請手続きを的確かつ迅速に処理するよう努めているところです。

今般のマイナンバーを活用することにより、各窓口の情報連携がより正確かつ効率的に行える環境が整うことから、さらなる手続きの簡素化や申請漏れの防止等が図られ、区民サービスの向上が期待されます。申請窓口の総合化としての総合窓口は、マイナンバー制度を一つの契機ととらえ、総合支所で行っている保健福祉業務とも連携し、申請・受付や証明書発行などの事務を集中化して、行政サービスの向上を図るとともに、総合支所の各所管課では、必要な区民等に対し、より迅速に専門的な対応を行うことが期待されます。

また、行政の効率化に伴い、全体として、職員が区民に向き合う機会も、今以上に確保できるようになるものと考えております。住民と最前線で接する地区は、区民生活を支えるまちづくり活動の拠点であるという認識のもと、地区における区民サービスの向上と行政運営の効率化のバランスをとりつつ、総合窓口の創設にあたりましては、区民にとって真に利便性が実感できるよう準備を進めてまいります。

たま子コメント

どう考えてみても、マイナンバーと支所総合窓口は、関係ありません。区は、理念なく、マイナンバー実施にあたり、なぜか突然、支所での総合窓口というものを打ち出して、それを前提に、物事を進めようとしてきています。高齢化が進み認知症に対応したまちづくりを進めていかねばならない時に、なぜ、あえて、総合支所に総合窓口をわざわざ設置するのか、大いに疑問です。総合窓口を設置することにより、「全体として職員が区民に向き合う機会が今以上に確保できる」という答弁も、意味不明です。新しい部門を作れば、当然、職員が新たに必要になりますし、その職員は、どこから確保してくるのでしょうか。

マイナンバーの成果は、なんとしても、地区レベルで生かすべきなのです。

外環道路に伴うまちづくりと南進について

小泉質問

外環道路に伴うまちづくりと南進について伺います。

外環道整備に伴う、上部利用の考え方が固まってきたようです。

全く不十分です。

外環道整備の凍結に伴い、地域はこの40数年にわたり、基本的なまちづくりがなされていなかったのです。

本来あるべき公共施設もなく、公共交通機関もない、賑わいと暮らしを支える商店街もない、まさに時代の流れに取り残されてきた地域です。

やっと外環道そのものの整備は姿が見えてきましたが、本来の街づくりがどのようになっていくか、ということについては、なんらの具体策が見えません。かろうじて、上部利用部分の姿が出てきただけです。

区は、これまでの経緯から、将来のこの地域の街の姿について積極的に責任を持つべきです。

買い物にも不便、交通も不便、区民が様々な活動をしようとする基盤としての集会所なども、全く不十分です。

この地域は、今後益々区民が増えてくることから、多世代の交流や、様々な文化活動が可能となる施設機能の充実、賑わいの場作り、公共交通機関の充実など、真剣に取り組むべきですが、区のお考えを伺います。

さらに、外環道の南側への展開については、是非とも、区として明確な姿勢を打ち出し、その実現に向けて、最大限の努力を傾けるべきです。

これまでの、整備凍結による様々な区民の苦労を再び引き起こしてはなりません。

区の決意を伺います。

板垣副区長

私からは、外環道の南進問題について、答弁させていただきます。

現在、外環道の整備につきましては、関越道から東名高速道路までの事業が行われておりますが、その南側の計画は、具体にはなってございません。

外環道が東名まででとまった場合、環状8号線など幹線道路の交通渋滞や周辺の生活道路にも多くの車両が流入するなど、生活環境の悪化が懸念されるため、外環道の東名以南の早期整備が大変重要な課題であると認識しております。

このため、区では、国が策定いたしました対応の方針にも記載されている外環道の東名以南についての検討の場の立ち上げにつきまして、あらゆる機会をとらえ、国や東京都に要請し、続けてきているところでございます。

しかしながら、国からは、地域の交通問題に関する基礎的な調査等を現在実施していると聞いておりますが、検討の場の立ち上げまでは至っていない状況でございます。区といたしましては、この検討の場を早急に立ち上げるよう、引き続き国や東京都に粘り強く働きかけ、東名以南の外環道整備が早期に具体化するよう、議会ともご相談しながら、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

たま子コメント

外環道の南進はとても大きな問題です。これまで、外環道の整備が何十年も凍結され、多くの関係する区民の生活が長期的な見通しが立たないなど本当に困らされていました。このような苦労を外環道東名JCの南側の区民の皆さんに負わせる訳には行きません。

なんとしても、区の積極的な姿勢が欲しいところですが、区の答弁は、これまでとなんら変わるところがありません。

なんとしても、実現に向けた体制づくりが必要です。

寺林砧総合支所長

外環道整備に伴う街づくりについて、ご答弁申し上げます。

東京外郭環状道路は、昭和41年7月に都市計画決定され、関越から東名区間は、平成21年に事業化されております。この間、計画区域には建築制限があり、地域の皆様方には、長年にわたる土地利用や個々の生活設計に大きな影響があったことと認識しております。

区では、外環道整備とあわせ、環境とみどりに配慮し、活気あるコミュニティの形成された周辺街づくりに取り組んでまいります。

現在まで、東名ジャンクションの上部空間等の有効利用を図るために、区民意見募集やワークショップなどを実施し、「上部空間等利用計画(素案)」をまとめたところでございます。その中で、高齢者や障害者等を含んだ地域全体での多世代交流と賑わいの場の創出や、地域住民がボランティア等で積極的にかかわりたいというご意見も多くいただております。

このため、これらの参考とするため、川場村の田園プラザや横浜市のNPO法人お互いさまネット、江戸川区のあったかハウスなどを視察し、それらの施設と地域住民とのかかわり方などを調査しております。

区といたしましては、地域の方々の暮らしが豊かになり、コミュニティが良好に保たれるよう、地域特性を活かし、住みやすい街にしていくことが重要だと考えております。引き続き、ハード面だけではなく、多世代交流や賑わいづくりのソフト面も、併行して検討してまいります。

たま子コメント

外環道整備そのものは、地域の区民には直接利便性が増す、というようなことはありません。問題は、外環道整備に伴う、周辺街づくりです。

今回、総合支所長が、「地域の皆様方には長年にわたる土地利用や個々の生活設計に大きな影響があったと認識している」と答弁したことは、評価したいと思います。

さらには、上部利用計画において、高齢者や障害者も含んだ多世代交流や賑わいの場を作り出していく、とされたことも、大きな前進と思います。地域の皆様と一緒に、新たなまちづくりに取り組んでいくことといたします。

高齢者の地方への移住提言について

小泉質問

介護施設人員不足に対応する高齢者の地方への移住提言について伺います。

この度、民間有識者でつくる日本創成会議が1都3県の高齢者に地方への移住を勧める提言を出しました。

介護施設が13万人分不足するから、余裕のある地方都市へ引っ越してもらう、という提言で、政府も今後まとめる地方創生戦略で新型交付金を活用した高齢者移住策を打ち出す、とも報道されました。

これに対する、有識者やマスコミなどは、「画期的な提言」とされたり、「地方移住そのものは悪くはないが、費用対効果を検証すべき」などとされています。

また都知事は、「移住しろ」とはちょっと乱暴、と記者会見で述べられました。

私は、これは「ちょっと乱暴」どころの話ではない、と思います。

これらの議論の中では、高齢者を介護が必要な「モノ」とだけしか見ていません。

なんということでしょうか。

これまで地域で一生懸命働き生活を築き、子育てをし、様々なお付き合いを重ねて、これからは皆とゆっくり地元で生活を楽しもう、という時期に、50歳ぐらいになったら、元気なうちに、地方に引っ越してもらおう、ということが一体全体、どのような考えから出てくるのでしょうか。

これが政治というものでしょうか。

人間一人ひとりの尊厳、生き方ということをどのように考えているのでしょうか。

全く持って問題です。

私は、歩いていける範囲内で、最期まで安心した生活が営めること、それをまちづくりの目標に置き、行政も全力を挙げてそれに取り組むべきと申し上げているのです。

高齢者を、介護施設の不足から、移住させるなど論外です。

区長は、今回の選挙にあたり、「誰もが最期まで安心して暮らせる地域まるごとケアの世田谷モデル」と言われたのです。

であるならば、今回の提言、政府の取り組みに対しても明確な意思表示をすべきです。

それが、88万大都市のトップの役割であると思いますがご意見を伺います。

保坂区長

日本創生会議の提言について、お触れになりました。

先の提言におきますと、2025年までに、75歳以上の後期高齢者が1都3県東京圏で175万人、介護施設のベッド数が13万床不足するということで、地方への移住促進が提言の内容だろうと思います。

この提言に私は、はっきり申しまして、強い違和感を持っております。国をあげての地方創生の掛け声にもかかわらず、有力な全国の地方自治体におきます地域振興の産業はなかなか見当たりません。福祉介護分野のベッド数、ここに着目して移住をというのは、乱暴な話というところでは同感であります。一方で、地方の側からも、介護医療の負担だけが押し付けられて、返って地方の衰退を加速するんじゃないか、施設が足りないから移住をというのは乱暴である、無理に高齢者を地方に移住させるのは違和感があるなど、戸惑いの声もあがっていると聞いております。

実は、高齢者の移住を前提としたアメリカにある「CCRC」という、いわゆる共同体ですか、こちらの方で75万人が、暮らしているということを地方創生の事務局が提示をしている。そして、提示をしているということで、何か進めたいという首長さんが、私のところにも訪問をいただいています。現役の仕事を離れて、例えば、農業にかかわりたいとか、生涯学習、自分の好きな研究に打ち込みたいとか、第二の人生を過ごす、こういった意味では、居住環境を選択するということも道はあるんだろうと思います。しかしながら、あくまでも本人の意思で選択するものであり、また、高齢の方々にとって住み慣れたまちを離れることは、心の通い合ったみなさんと別れて過ごすことにもなり、大変難しい面もあるだろうと、そこを最大限配慮して、取り組む課題だろうと思います。

区といたしましては、住み慣れたまちでいつまでも過ごせる支援体制を地区に根ざして地域包括ケアを進めていく、まちに友達がいて、知る人同士で声を掛け合い、喜怒哀楽を共にするというコミュニティが大きな高齢者の方にとって社会的な資源、活力であるということを、私としても意見表明していきたいと思います。

たま子コメント

私としては、88万大都市世田谷のトップとして、なんとしても、(死ぬまで)区内に住んでいただく、そのために、最大限の努力をする、ということを、決意表明していただきたかったのですが、区長の答弁は、評論家そのものー違和感がある、というものでした。なんとしても、責任者としての決断を求めたく、自席よりの再質問を行いました。

【再質問】

小泉質問

通告した質問に的確に答えていただけてない状況ですが、これは、今の区には、基本的な理念・原理原則が無い、ということだと思うのです。

区民にとって、本当に残念なことです。

総合窓口を言うのならば、全力を挙げて地区で行うべきです。

区は、理念なしに実務の問題点ばかりを言っています。実務の問題点は、執行機関としてしっかり解決すればよいことです。

基本的な考えこそが大切です。

高齢者の地方移住について、区長の答弁は、全く、納得できるものではありません。当事者意識がなく、評論家のようです。

区民の生活に責任を持つ区長であるとするなら、場合によっては、地方に行ってもらおう、などということは、全く考えるべきではなく、区民にも安心して最期まで世田谷で暮らしてください、そのために全力を尽くします、というべきです。

今一度、区長の決意を伺います。

保坂区長

地方創生に向けた、いろいろ周辺の状況について、やや全体像を私なりに把握しているということをお話したうえで、これについては強い違和感を持っていますし、区民の皆さんには、安心していつまでも住み続けられる地域で、地区で、地域包括ケアも、そのように作り上げていくので、ぜひこういった提言に心乱れることなく、しっかり世田谷区で暮らしていただけるように、先頭に立ってがんばりたいと思います。