第2回定例会での一般質問

一般質問 (6月15日)

小泉質問

ある方から、ニーバーの祈りの言葉というものを教えていただきました。変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えよ。変えることのできないものについては、それを受け入れる冷静さを与えよ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する知恵を与えたまえというものです。まさにそのとおりです。現在の区政には、変えるべきものと変えてはいけないものとを識別する知恵が全く感じられません。

区長招集挨拶において、区長は、全地区で福祉の相談窓口を開設すると言っておきながら、同じ招集挨拶で、総合的なくみん窓口を支所に開設すると言っているのです。区民を混乱させるだけです。相談と手続を分離しようとしています。相談業務と手続業務を別々でやるというのは、全く区の勝手な都合であって、本来の姿は、窓口に相談に来て、そこで手続までできるはずです。これらを伝統的な出張所で行うよう区政全体が努力することこそが求められているのにです。

さらには、超高齢化社会、認知症社会に到達しようとしているこの時期に、地区を充実させると言っておきながら、あえて支所を充実させるというのは、大きな流れを読み違えています。その結果、区自身が地区の力を低下させている、そのことになぜ気がつかないのでしょうか、区のお考えを伺います。

今回、特別委員会への新たな地域行政の推進の報告で、まちづくりセンター窓口業務の充実について、自宅でパソコンを扱えない区民のためのサービスのあり方を検討するとされました。一体どういう意味でしょうか。自宅でパソコンを扱えない区民対応をするということは、自宅でパソコンを扱える区民を前提、基本とするということです。区は、これからの超高齢化認知症対応社会について一体どのように考えているのですか、全くビジョンがありません。

区民の方々には、できるだけ出歩いていただき、地区の身近な窓口に来ていただく。そこでは相談でも、手続でもできますよという姿が望ましいはずです。そのために、身近なところにトイレやベンチも置きますという政策があるべきです。

先日、砧地域のある方、元町会長が亡くなられました。その方は、このところ視力が低下され、ほとんど見えない状態でしたが、元気で活動されていました。その方の日ごろの活動を見ても、地区であらゆることができる、それが望むべき姿だと確信していました。であるのに、区は、単純に自宅でパソコンを扱えない区民対応をするなどと、単なる思いつきとも言える仕組みをつくろうとしています。ビジョンなき区政の典型です。どのように考えているのか伺います。

子ども・子育ての総合的な対策について伺います。

児童相談所の移管については、制度改革の面からではなく、世田谷の子どもの育成の観点から検討すべきです。招集挨拶で区長は、児童相談所移管について、子ども家庭支援センターと一体となった一元的で効果的な児童相談行政を目指すとされましたが、目的と手段を混同しています。相談は手段です。目的ではありません。目指すべきものは、児童相談行政ではなく、子どもの成長を第一に考えた児童育成行政のはずです。幾ら相談を充実しても、それは対処的な対応しかできず、根本的な解決に至らないのは誰でもわかることです。

このことから、児童健全育成の機能を持った児童館の役割を重視し、児童相談所の区設置と合わせて早期の支所移管を行うべきです。区のお考えを伺います。

さらにそのためにも、児童館が変わっていかなければならないはずです。みずから問題を把握し、変わっていこうという意欲が児童館にあるか伺います。

さらに、新BOPと学童について伺います。

現在、区は、保育園待機児対策に全力を挙げていますが、保育園入園児、そして待機児も小学校に入学してきます。そして、かなりの児童が学童登録となります。子どもの人数がふえれば当然学童の登録者もふえることとなりますが、この学童の増加に対しての行政の対応が見えません。今後、どのくらい対象者がふえるのかお伺いしたところ、そのような資料は持っていないとのこと。どのようにして将来を予測し、的確な対応をしていこうとしているのか伺います。

さらには、その登録者のうち、実際に学童を利用している割合は七割程度です。つまりかなりの方々が学童から離れている、このことについてどのように考えているのか伺います。

さらに、このような状況に立ち至ったことに鑑み、基本に立ち戻り、放課後の児童の健全育成をどのように考えていくべきか、新BOPと学童の事業のあり方について抜本的な見直しを行うべきだと考えます。あわせて答弁を求めます。

公園について伺います。

公園は、都市生活にとって欠かすことのできない存在のはずです。しかし、その大切な公園が、区民の日常生活にとって重要な役割を果たしているかと考えてみると、相当疑問です。町なかの公園も見た目はよいですが、夏は暑いし冬は寒い、なかなか利用されている方を見かけないというのが一般の公園の姿です。

今回、一部の公園で移動販売車を設置するという社会実験が実施されることとなりました。公園利用者のためということですが、これは考え方を変えるべきです。公園の中にある施設機能は公園利用者のためにあるということから離れて、公園の機能を周辺地域の区民生活にも広げていくとすべきなのです。国土交通省の報告によれば、都市公園の活用についてさまざまな方策が検討されていますが、世田谷は区内にさまざまな形の公園があり、その管理も住民参加型で行っているところもあるのです。

国が出された報告によれば、都市公園を一層柔軟に使いこなすとされています。報告では誰が使いこなすかは明らかとされていませんが、世田谷区として、国のモデルケールとしてでも、都市型公園のさまざまな活用について取り組むべきと思いますが、区のお考えを伺います。

買い物弱者と移動販売車の対応について伺います。

今申し上げたように、移動販売という新しいテーマに区が取り組まれたことを評価します。しかし、この移動販売ということが最も効果をあらわすのは、買い物弱者の方々へのはずです。区内には交通不便地域がいまだに残っています。さらには、高齢化も進み、交通不便地域でなくても買い物弱者がこれから急増していくことが考えられます。確かに宅配便などが普及し、個別配送が当たり前になってくれば、わざわざお買い物に行かなくてもよくなるということは考えられますが、それではひきこもりを助長させることともなります。このままでは、通信販売型の大手事業者に多くの区民の生活が支えられるということにもなりかねません。

都市型ならではの産業政策として、買い物弱者対策を正面に取り上げ、地域商店街、事業者等と連携して、移動販売という形を活用した新たな時代に対応した事業を立ち上げるべきと考えます。区のお考えをお伺いいたします。

本橋地域行政部長

私からは、地域行政に関しまして二点の御質問にお答えをいたします。

まず第一点目、伝統的な出張所こそ充実すべき、あえて支所を充実されるというのは大きな流れを読み間違えているのではないかという点でございます。

区は、総合支所や出張所・まちづくりセンターのあり方を検討してきた中で、まちづくりセンターにおきましては、区民の日常生活に係る身近なまちづくりを進めるとともに、地域包括ケアの地区展開や地区防災力の強化に取り組むなど、さらなる充実を図ってまいりました。また、総合支所におきましては、本年七月、くみん窓口を開設し、転入や出生などライフイベントに伴う申請手続に的確かつ迅速に対応するとともに、関連する業務を含め、窓口事務の改善を図ります。またあわせて、手続に来庁された方の御用件に応じて、支所内や本庁の専門所管につなぐ役割を果たしております。

今後も、世田谷区の特色である三層構造の地域行政制度を推進していくに当たりまして、社会動向を踏まえ、総合支所においては、身近なまちづくり推進協議会、防犯、防災、まちづくり協議会への支援など総合的な行政サービスの提供を行うとともに、地区においては、地区の強化、コミュニティーの活性化の視点から、さらにまちづくりセンターの充実を図る中で、窓口業務のあり方についても、高齢化などの社会動向を見据えた検討を進めてまいります。

次に、二点目でございます。まちづくりセンターの窓口業務の充実について、自宅でパソコンを扱えない区民のためのサービスのあり方、これを検討することの意味は何かという御質問でございます。

まちづくりセンター窓口業務の充実につきましては、例えばマイナンバー制度やくみん窓口での対応が難しい高齢者、障害者などを視野に、住民票の写しの交付等諸証明の窓口での発行、タブレット端末等でも活用しての申請の取り次ぎ、国民健康保険料等の収納事務、日常生活に密着した物品の助成など、これらを検討対象とすることとしております。また、本年七月から始まるマイナポータルのサービスにつきましても、例えば自宅等にパソコンをお持ちでない方、あるいは余り操作が得意でない方など、何らかの御事情で新たなサービスを受けることが困難な方へのサービスのあり方等についても検討を行うというものでございまして、行政手続の電子化が進む中で、セーフティーネットを視野にした取り組みを行っていくつもりでございます。

中村子ども・若者部長

私からは、総合的な子ども・子育て施策に関連しまして、四点御答弁いたします。

まず児童館の役割について、児童相談所移管や支所移管を想定し、明確にすべきであるとの御質問です。

区は児童相談所の移管を受け、基礎的自治体としてこれまで培ってきた地域の人材や資源等の顔の見えるネットワークを最大限活用し、地域の中で子どもや子育て家庭を孤立させず、子どもの成長を見守り、支えていく体制を構築することを目指しております。

地域における児童館は、児童福祉法に基づく児童福祉施設として、地域の全ての子どもの健全育成を図ることを基本に、子どもや子育て家庭の問題の発生予防と早期発見に努め、専門機関と連携して適切に対応するなど、地域の子ども・子育ての中核としての役割を担っているところです。

こうした児童館の役割が最大限発揮できるよう、本年度スタートしました外部有識者による検討委員会における移管後の児童相談所と子ども家庭支援センターとの連携のあり方などの検討に加え、地域、地区のバックアップ機能を含めた総合支所全体のあり方の検討を進める中で、児童館に係る総合支所と本庁のかかわりや位置づけについて明らかにしてまいりたいと考えております。

次に、児童館について、みずから問題を把握し、変わっていこうという意欲があるかという御質問です。

児童館は、子どもや子育て家庭のほか、地域の人材や関係機関と日々直接かかわることを通じて、地域の多様なニーズを把握することができる子ども・子育ての最前線であると考えております。

それぞれの児童館においては、地域のニーズを踏まえ、子どもや子育て家庭、活動団体などの方々の参加と御協力をいただきながら、館の運営やイベントについて主体的に見直し、改善を行っているところです。また、近年、世田谷版ネウボラや子どもの貧困問題など、新たな課題への対応にも児童館の役割が期待されており、各館においては、児童館食堂や地区会館などに出向いて行う移動児童館、さらには自治体間の交流を促進する事業の展開など、多様な取り組みが生まれてきております。

今後とも、前例にとらわれない取り組みに積極的にチャレンジするよう促し、全ての児童館が地域における子どもと子育て家庭のよりどころとなるよう、全館一丸となって取り組んでまいります。

次に、新BOP学童クラブについて、児童数の増大が見込まれる将来を見据えて対応をとるべきとの御質問です。

御指摘にありましたとおり、現在、定員拡充を進めています保育園に通う子どもの多くは、小学校に就学する際には学童クラブを利用することが想定されることから、中長期的な展望を持った対応が求められていると考えております。

区といたしましては、三十二年四月に予定しています子ども計画の改定に合わせて、今後の人口推移を見定め、新BOP学童クラブを含め、三十三年度以降の子ども・子育て支援事業の需要量見込みを算出し、新たな事業計画を策定してまいります。

また、教育委員会や都市整備部門と連携、協力を一層密にし、大規模開発の動向など、地域ごとの学童数をより的確に見きわめ、小学校改築の各計画段階に反映していくなど、新BOP学童クラブの子どもたちの環境整備に取り組んでまいります。

次に、新BOP学童クラブの利用率を踏まえ、見直しが必要ではないかという御質問です。

お話しの利用率につきましては、新BOP学童クラブに登録している児童が、学童クラブが開設している日数のうち実際にどれぐらいの日数を利用しているかを示すものです。平成二十八年度の利用率を学年別、月別に見ますと、一年生の入学当初の四月が八三・四%と高く、学年が上がるにつれて低くなり、三年生の年度終わりの三月は五一・二%となっています。これは例年の傾向であり、学年が上がるにしたがって授業時間が伸びてくることに加えて、多くの児童が学習塾や習い事を始め、その頻度も高くなることによるものと考えております。また、夏休みなどの長期休みには家族旅行などで利用しない日数もふえることは各学年に共通の傾向です。このような状況から、一年生から三年生の通年の利用率を平均しますと、平成二十八年度においては七一%となっているところです。

この利用率につきましては、子どもが成長に合わせて、放課後をどう過ごすかという保護者の判断が反映されているものと考えますが、今後とも、豊かな放課後の時間として望まれる学童クラブのニーズを把握し、子どもの健全育成の観点から必要な見直しを行い、多彩なプログラムなどの内容の充実に結びつけられるようさらに検討をしてまいります。

久末産業政策部長

私からは、高齢化に伴う買い物弱者に対する移動販売について御答弁いたします。

買い物弱者対策につきましては、平成二十六年度に、二十歳以上の区民四千人を対象に買い物現況アンケート調査と、区内商店街へのヒアリング調査を実施いたしました。その結果、高齢者の需要はあるものの、商店街が移動販売を実施するに当たっては採算性を見込むことは難しいという結果でした。

しかしながら、現在、区内のある商店街とコンビニエンスストアが連携して、東京都の補助金を活用した移動販売事業の可能性を検討しているとも聞いております。また、地域包括ケアの地区展開において、地区の高齢者の課題解決に取り組む協議体では、七つの地区で買い物弱者支援がテーマに挙げられており、今後、高齢化の進展に伴いますますふえていく課題であると認識しております。

区といたしましては、商店街だけでは採算性が難しいことから、地区の協議体や他団体の協力も得ながら、産業政策部門が主体となり、買い物弱者対策の実現に向けて具体的な方策や手法の協議を行ってまいります。

髙木みどりとみず政策担当部長

私からは、新たな時代に対応した公園のあり方について御答弁させていただきます。

現在、国では、都市公園法を改正し、これまで以上に民間事業者の資金やノウハウを活用しやすくする制度づくりに取り組むなど、今後、全国的にも公園を活用し、魅力を向上させる取り組みが加速していくものと予想されます。

区内には約六百カ所の公園などがあり、そのほとんどは小さな公園で、地域の方々にとって大切で必要なものでございますが、規模や使われ方などもそれぞれ異なることから、利用促進や魅力向上のためには、地域の特性やニーズに応じた活用を図ることが必要です。また、これらを実現するには、地域の方々やさまざまな主体との連携が欠かすことができません。

区といたしましては、引き続き町会・自治会や商店街、地元大学など、地域との連携をより深めまして、公園利用者はもちろんのこと、地域にも喜ばれる公園となるよう、その利活用を検討してまいります。また、大規模な公園などでは、民間事業者との連携など、新たな手法、魅力づくりに取り組むことで地域のコミュニティーの拠点となるような公園づくりを推進してまいります。

小泉質問

変えるべきことと変えるべきでないことの見きわめをする知恵を今の区政は持ち合わせていないと思います。どの答弁も制度の説明と現状の解説。そして、今後検討していくということばかりで、全く課題に挑戦していくという気概が感じられません。ここにおられる理事者は、区政のそれぞれの分野のトップです。多くの職員を抱えています。その職員、特に若手の職員へ仕事の夢、楽しさを伝えることも重要な役割ですが、何のビジョンも語れない。大変残念です。

区長は、もうすぐ区民が九十万人に達すると言われます。子どもの増加を言われますが、当然大人も転入されています。その新区民は、何ら世田谷の情報も得ることなく、そしてまちづくりの中での区民としての義務、責任も感じることなく、転入届が終わってしまいます。

転入届を地元で受ける、最初から新区民を地区でしっかり受けとめる、そしてまちづくりの中で役割を果たしていただくためには、ぜひとも出張所を地区に取り戻すことが必要なのです。亡くなった元町会長を含め、出張所をもう一度地元に欲しいという切実な声が多くあります。このことに区はどう答えるのですか、伺います。

本橋地域行政部長

現在、地区の強化に向けましては六項目の課題を掲げておりまして、鋭意取り組んでいるところでございます。地区活動団体の強化でありますとか、情報発信、それから防災力の強化、地域包括ケアの地区展開など、こういった六項目について行っておりまして、これらを今総合的に進めていこうということで検討に入っている段階でございます。

これらを進めていくに当たりましては、やはり一人でも多くの区民の参加をしていただくことが非常に大事であるというふうに考えておりまして、そのためには、お住まいになっている地区のよさを知ってもらう、見どころを知ってもらう、あるいはイベントを知ってもらう、こういったことを通しまして顔の見える関係づくりにつなげていければというふうに考えております。

これからも区の窓口におきまして、このような地区の具体的な御案内を行いますとともに、転入された方はもちろんのことですが、既にお住まいの方にもさまざまな機会を活用して、地区の魅力を感じて、みずから進んでまちづくりに参加していただけるよう、地区の情報を発信していきたいと考えております。いずれにいたしましても、区民が主体となった「参加と協働のまち

せたがや」の実現に向けまして歩みを進めてまいりたい、このように考えております。

小泉質問

答弁になっていません。私は、あるべき姿を求める、そのことこそが最大の課題だと思っています。その観点を持ち合わせていない区政を本当に残念だと思います。