第1回定例会での一般質問

一般質問 (2月22日)

小泉質問

「世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」案について

LGBTや男女共同参画、多文化共生に関する、関係者の方々の様々な検討について、尊重したいと思います。しかし、案が出され、それを全体的に見ると、大きな問題を抱えていると言わざるを得ません。

世田谷らしくない、ということです。

ここに、条例案の第8条、「基本的施策」があります。この前半は、男女共同参画に関するものであり、後半は、多文化共生というか、外国人対応に関するものです。

私は、この10号に疑問を持ちます。

「国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる偏見又は不当な差別の解消」とあります。「『文化的違いによる偏見』とは、一体何を指すのか、そのような概念を区は認めるのか」、と質問したところ、「これは、ヘイトスピーチ対策であり、この条項がないと、ヘイトスピーチ対策はできない」、と担当は言われるのです。

疑問です。

ヘイトスピーチについては、既に、平成28年1月5日に、区議会として、国及び国会にたいして、要望書を出していますが、その趣旨は、基本的人権尊重の観点です。つまり、ヘイトスピーチは、人権侵害問題であるとしているのに、なぜ、今回、区は、ヘイトスピーチ問題を文化問題とするのか、お伺いします。

さらに、11条において、「区民は、基本的施策に関する事項について、区長に苦情等を申し立てることができる」、とされています。基本的施策は、8条に列挙されていることから、結果として、世田谷区は、「文化的違いによる偏見」を区長に苦情申し立てできることとなります。

「文化的偏見」を、「苦情処理する」、ということは一体どういうことですか。「文化的違いによる偏見」という言葉自体が、偏見です。

文化ということは、個人の内心の自由、表現の自由と密接に関係し、最大限の尊重をすべきものです。その文化的違いによる考えの違いを「偏見・不当な差別」と区がみなし、さらには、区が苦情処理として介入し、解決していく、という発想が信じられません。

苦情処理という事は、ある案件を、ある尺度に基づいて、その良し悪しを判断する、ということですが、文化について、世田谷区がある一定の尺度を持ち、その尺度を当てはめる、ということがありえるのですか。そのような思い込みは、国際社会に生きる世田谷区としては決してあってはならないことです。

「文化を、苦情処理対象にする」、このことを考え直し、条例を見直すべきです。

区のお考えを伺います。

組織改正について

このたびの組織改正で、子ども若者部が、保育部門と分離されると示されました。

反対です。

子ども部は、日本で初めて子ども政策専門の部門として設置され、子どもにかかわることを、統一的に総合的に行ってきたところです。それをなぜ、今、分離しなければならないのか、全く、理解できません。

区は、行政需要に応じて、組織改正を行う、とされますが、これでは、世田谷の子どもが、保育園子どもと、保育園以外子どもに分離されてしまうではないですか。これまでの世田谷の伝統、取り組みを壊してしまう組織改正は、行政の身勝手であるし、子どもに被害が及びます。

区のお考えを伺います。

地域コミュニティ施設運用ガイドラインの問題点について

区は、地域コミュニティ施設を、住民主体の自主的な活動の場として運用していくとのことであり、基本的考えとして賛成します。

しかし、今回のガイドラインについては、問題があります。

まず、区民の活動する場が圧倒的に足りないことです。

まずは、どのように、活動の場を確保していくか、その努力が見えません。空き家活用などあらゆる方策を尽くすべきです。

その上で、今回区は、施設の優先利用として、介護予防、子育て支援等の公益的と思われる5つの事業を位置づけています。

介護予防が大きなテーマであることは確かですが、区は、区民活動の実態をわかっているのでしょうか。それぞれ自主的な活動として、例えば、健康体操があり、ダンスがあり、童謡を歌う活動などがあるのです。それぞれ、介護予防には効果的だと思いますし、ご本人たちは、それぞれが最も良い活動と思っていらっしゃる。

このような状況で、区は、どのように、優先順位をつけるのですか。この判断基準を明らかにすることこそが重要であり、さらには、その判断を行う責任所管はどこなのでしょうか、これらを明らかにすることがまず必要であり、これらの疑問についてお答えください。

これらが明確でない間は、新たな仕組みは導入すべきではありません。

さらに、地域コミュニティ施設連絡会が提案されていますが、区からの説明によると、この連絡会を設置した後に、将来に向けて、住民が主体的に運営する施設のあり方について検討するとされます。

全く、検討の順番が逆です。

まずは、区として責任を持って、住民が主体的に運営する施設のあり方を示した後に、連絡会等を設置すべきです。

区のお考えを伺います。

外環の森について

外環道整備については、関係者のご努力により、着々と工事が進んでおりますが、今後、完成に向けて、地域の単なる迷惑施設ではなく、地域の財産ともなるものとして、外環を緑で覆う、地域にふさわしい末永く愛される豊かな新しい森のイメージという外環の森のお話がありました。

この外環の森については、直ぐには実現できないでしょうが、逆に、年を追うごとに、新しい森が育っていく、このような楽しみもあります。次世代に引き継ぐ大切な宝物が、この地にできることは、大変嬉しいことでもあり、みどり33をめざす世田谷としても有効な取り組みです。

この外環の森実現に向けて、様々な関係者の皆様の協力体制が必要であるし、長期にわたる取り組みになろうとは思いますが、その関係者との連携、スケジュール等について、区のお考えを伺います。

世田谷区舗装道路更新計画実施における区内事業者の活用について

この度、世田谷区の舗装道路更新計画が、示されました。

評価します。

道路の舗装がきちんと補修されているのは、街として当たり前のことです。改修工事で、舗装がやり直されたところを通りますと、何か、心が洗われる、ちゃんと区は、必要なことをやっているのだ、そして、工事の方々には、ご苦労様と声をかけたくなります。

一方で、今回、示された産業ビジョンにおいては、その施策体系の中で、「区の都市基盤を支える建設産業等の振興を図る」「公共事業等の受注機会の確保などを通じて区内事業者を育成する」とされています。

しかし、この産業ビジョンを支える、産業振興計画については、全く、具体的な姿が見えていません。

実際の事業において、道路舗装事業と、区内事業者をどのように結び付けていくのか、区のお考えを伺います。

答弁

宮崎 副区長

私からは、保育担当部の設置につきまして御答弁申し上げます。
 子ども・若者部の前身であります子ども部は、平成十六年度にそれまで三部に分散していた施策を統合し、総合的に推進するため設置いたしました。その後、平成二十五年度に若者支援担当課を設置、また、平成二十六年度からは部の名称を子ども・若者部と改め、現在に至っております。
 この間、さまざまな施策を推進してまいりましたが、今後は、子どもの貧困対策や児童相談所の移管に向けました準備等にも、さらに力を入れて取り組んでいく必要がございます。
 一方で、喫緊の課題であります保育待機児童対策におきましては、計画の達成に向けたさらなる取り組みが不可欠であり、加えまして、今後、保育施策全般にわたりまして質の確保がますます重要となってまいります。
 今般の組織改正におきまして、これらの課題に対応するとともに、部として責任を持って執行できる業務範囲を考慮した結果、子ども・若者部の中に部として保育担当部を設置し体制強化を図るものであり、引き続き子ども計画に基づいた一体的な施策の推進に力を注いでまいります。御指摘いただきました、本来一体不可分の組織であるべきという点については十分留意してまいります。

岡田 副区長

私からは、道路舗装更新計画と産業ビジョンの関連につきまして、担当副区長としての御答弁を申し上げます。
 現在、区では延長千九十四キロメートルに及ぶ区道を管理しております。今後、膨大なストック量の舗装を、限られた財源のもとで、長期間にわたり適切に維持管理していかなければなりません。
 こうしたことから、五十年間の舗装更新の長期シミュレーションを行った上で、今後十年間の計画期間における舗装更新の取り組みを世田谷区舗装更新計画として取りまとめ、案としてお示ししたところでございます。
 今後は、この計画に基づき、計画的かつ効率的に舗装の更新を進め、区民生活を支える安全で快適な道路利用環境の保持に努めてまいります。また、舗装更新の実施に当たりましては、新たな産業ビジョンに記載の区内事業者育成の視点を踏まえまして、区内建設業者の活用を図ってまいります。
 以上でございます。

田中 生活文化部長

私からは、世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例について、二点に御答弁申し上げます。
 初めに、条例にある「国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる偏見又は不当な差別の解消」という条文について御答弁申し上げます。
 国際化が進展する中、本邦外の出身であることを理由とした差別的言動が行われていることは憂慮すべき事態であり、人間としての尊厳を踏みにじる重大な人権侵害であると認識しております。
 区では基本構想において、国籍などにかかわらず、多様性を認め合い、自分らしく暮らせる地域社会を築くこと、差別や偏見をなくし、いじめや暴力のない社会の実現を目指すことをうたっています。
 このような地域社会の実現に向けては、まず、全ての個人の尊厳と人権尊重の大切さを改めて確認することや、交流を通して互いの生活習慣を理解、尊重するなど多文化理解を進めることにより、多様な価値観を受け入れる意識を醸成することが求められると考えております。
 このため、本定例会に御提案している世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例案では、まず第七条において、国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる差別の解消等を掲げています。さらに、基本的施策の一つに「国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる偏見又は不当な差別の解消」を置き、教育や啓発を積極的に行うこととしております。
 こうした取り組みを通して多文化共生を進めることで、基本理念にある、全ての人が、多様性を認め合い、人権が尊重され、尊厳を持って生きることのできる社会の実現を目指すものです。
 次に、苦情処理について御答弁いたします。
 条例案第十一条では苦情の申立て等として、「区民又は事業者は、男女共同参画・多文化共生施策に関する事項について、区長に対し苦情若しくは意見の申立て又は相談をすることができる」と記載しております。この記載のとおり、苦情の申し立ての対象は男女共同参画施策、多文化共生施策に関する事項であり、条例第八条の基本的施策を中心とする、区の男女共同参画・多文化共生施策にかかわるものとなります。
 多文化共生施策について具体的に申し上げれば、外国人等へのコミュニケーション支援や生活支援、多文化共生の地域づくりや社会参画のための支援及び国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる偏見や差別の解消にかかわる区の取り組みが十分であるかということがこの対象になると考えております。
 苦情を初め相談や意見の申し出を受けた場合は、区として内容をしっかりと受けとめるとともに、互いの多様性を認め合い、男女共同参画、多文化共生を推進していくという条例の趣旨に基づき、解決の糸口を探るような丁寧な対応を行ってまいります。
 以上でございます。

本橋 地域行政部長

私からは、地域コミュニティ施設運用ガイドラインにつきまして、二点御答弁をいたします。
 まず、当面対象とする五つの事業の位置づけと判断基準、責任所管についてでございます。
 地域コミュニティ施設の運用に関するガイドライン骨子につきましては、地域に根差した活動の場を公共施設を初め民間施設も含めて確保するとともに、仮称地区コミュニティ施設連絡会を通じて活動団体間の情報共有を図り、顔の見える関係や支え合い等の輪を広げ、地区力、地域力の向上を図ることを目的に策定するものでございます。
 そこでこの間、地区力等の向上に力を入れてきました福祉や防災などの分野のさらなる強化を図るため、当面、地区、地域に根差した介護予防、子育て支援、青少年育成、障害者支援、防災の五つの活動事業を対象に、施設の優先使用枠を設けるものでございます。具体の申し込み手続につきましては、活動事業の内容を事業所管が基準に基づき確認した上で、使用を希望する施設の施設所管課、施設管理者が一定の使用枠の範囲内で予約を受け付けていくことを想定しております。
 今後、素案を取りまとめるに当たりまして、地区、地域における活動の実態など、総合支所や事業所管課と詳細に検討する中で、施設の優先使用の基準を定めてまいります。また、施設の使用申請から決定に至る運用手順につきましても調整し、関係各課の役割とそれに伴う責務について明確にしてまいります。
 次に、地域コミュニティ施設連絡会についてでございます。
 多くの地区に共通する課題として、町会・自治会等の担い手不足や高齢化、支えあい活動、地域活動等の支援者やボランティアの不足などが挙げられており、本ガイドライン骨子では、地区の活動に協力していただく新たな担い手の裾野を広げることも期待して、仮称地区コミュニティ施設連絡会において団体間の情報共有を図ることをお示ししております。
 そこで、まずは地区におけるさまざまな活動団体や、区、施設管理者等が顔の見える関係を築きながら、住民主体の自主的な活動の場となる地域コミュニティー施設の活用などを通して、地区まちづくり活動の機運を高めていくことが重要であると認識しております。
 地区住民が主体的に運営する施設のあり方の検討に当たりましては、こうした活動が定着していく中で、区は、地区の実情や活動の状況を踏まえた施設運営に関する基本的な考え方を示した上で、仮称地区コミュニティ施設連絡会におきまして検討を重ねてまいります。
 以上でございます。

髙木 みどりとみず政策担当部長

外環道東名ジャンクション(仮称)上部空間の緑の創出について御答弁いたします。
 四月以降スタートいたします新たなみどりの基本計画の中では、外環道東名ジャンクション(仮称)の上部空間等及び周辺地域におきまして、積極的に緑空間の整備を進めるものとしております。
 また、砧総合支所が作成いたしました上部空間等利用計画の素案におけるゾーニング区分では、野川沿いの並木や生き物にも配慮した公園のほか、高速道路の沿道に高木を主体とした木々を連続させ、緑豊かな緩衝緑地帯を形成することとしております。
 地域にふさわしく、末永く愛される新たな森をイメージできる空間づくりにつきましては、今後、実現に向けまして、砧総合支所による上部空間等利用計画を策定した後に、具体的な内容を検討することになります。
 上部空間等利用計画の実現につきましては、砧の原風景などをテーマに、上部空間等の管理主体に加えまして、町会・自治会や地域住民などがつながり円滑な意見交換と連携を行い、外環事業者と協議しながら進めることとなります。新たな森をイメージできる空間づくりにつきましても、こうした中で、次世代に誇れるものとなるよう連携協力し進めてまいります。
 以上でございます。

久末 産業政策部長

私からは、建設業について、公共事業の活用による区内事業者育成に対する記載が、産業振興計画案についてないことについて御答弁申し上げます。
 新たな産業ビジョン案では、建設業につきまして、都市基盤の整備維持や、災害時、緊急時の復旧復興対策を中心的に担うことを想定し、重要な都市産業と位置づけ、公共事業の活用による区内事業者の育成を掲げております。
 また、産業振興計画案では、建築・建設関連産業の振興の取り組みの一つとして、建設産業にかかわる関係者連絡会の定期的な開催を掲げており、区内事業者育成の視点は、その取り組みの中で、関係所管部の理解と協力を求めてまいりたいと考えております。
 世田谷区が発注する道路舗装工事や一般土木工事などの多くは、区内事業者を対象とした優先業種区分の対象工事になると伺っておりますので、御質問の道路舗装更新計画の実施に当たりましても、優先業種区分に登録されている区内建設事業者の活用が図られるものと考えております。
 産業政策部といたしましては、今後とも関係所管部と協議調整し、区内事業者の育成が図られるよう取り組みを進めてまいります。
 以上でございます。

再質問

小泉質問

通告しているのに、質問に答えていません。条例についてです。区は十号の存在根拠をヘイトスピーチ対応だと説明したんです。その根拠が揺らいでは何のための十号かわからない。苦情の申し立て範囲ですが、答弁では文化的違いによる偏見、差別の解消にかかわる区の取り組みが対象となる、こう言われました。これは疑問。
 一号から九号までは支援、取り組みの推進ということが書かれていますが、十号だけは解消そのものが対象になっています。区は自分に都合のよいように限定的に解釈しようとしていますが、条例は区役所のものではなく、区民ものです。もとをただせば文化を苦情処理の対象にしようとする区の姿勢がおかしいのです。文化的違いによる偏見を解消させようとする、区の文化ということに対する無理解をあらわしていると考えますが、再度質問します。
 さらに、苦情処理委員会は、決して新たな価値を見出すものではないはずです。文化的違いによる偏見などは、決して苦情処理委員会の案件に当たらないはずです。区のお考えを伺います。

田中 生活文化部長

再質問にお答えいたします。
 条例で掲げております「国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる偏見又は不当な差別の解消」という条項については、ヘイトスピーチの問題にもかかわる状況というふうにとらえておりまして、先ほど申し上げましたが、本邦外の出身であることを理由とした差別が人間としての尊厳を踏みにじる重大な人権問題であるという認識のもと、この解決にも資するものであるというふうに考えてございます。
 ですので、この解決に取り組むためには、先ほど申し上げましたが、文化等の多様性を認めて、外国人の生活習慣等を理解、尊重することにより、多様な価値観を受け入れる意識を醸成することが求められると考えておりますため、この条文をここに置いているものでございます。
 また、苦情処理のことについて、苦情処理委員会にかけることが適切なのかどうかという御質問をいただいております。苦情処理の対象は、先ほども御説明いたしましたとおり、男女共同参画施策及び多文化共生施策に関する事項でございます。区の取り組みに関する苦情をいただいた場合に、区の取り組みが適切であるかという判断を区が直接したのでは、それは区民の方の苦情に対する処理として適切ではないというふうに考えましたので、そこに第三者の目を入れ、第三者機関の意見を取り入れるという趣旨で、この苦情処理委員会というのを置いているということでございます。
 以上でございます。

小泉質問

この条例の多くの部分、特にLGBT対応については尊重します。しかし、この条例では非常に小さい部分とも言える文化の取り扱いについては、私はどうしても見逃すことができません。世田谷とあろう者が文化的違いによる偏見、偏見ですよ、偏見、その存在を認め、苦情処理の対象としようとする、これは全く認めることができません。