平成30年度予算特別委員会での質疑

はじめに

今回は私の質問のみを全文掲載します。
文字が多くなりますが、ぜひお読み頂き、私の思いをご理解頂ければと思います。

区民生活領域(3月12日)

昨日3月11日は、「東日本大震災の日」でした。

テレビなどでも、多くの特別番組などが放送され、絶対に忘れてはならない、と心を新たにされた方が多かったと思います。

あのような大災害を目の当たりにすると、誰しもが、なんとかしたい、何か自分でもできることがないか、と考えるのが自然です。

しかし、なかなか、その思いを実行するまでは行きません。

保坂区長は、区独自の災害支援金が1億3千万を超えた、とおっしゃり、それはそれで区民の活動として評価できるのですが、台湾の民間からの寄附は、ご存知のように200億円を超えているのです。

これについては、昨年、台湾からの中学生がこられた時に、山内議員が議会を代表されて、お礼のご挨拶をされていたわけです・

これらも踏まえ、私は、第4回定例会で、これからは、国際貢献ということこそが大事であって、姉妹都市提携は手段であり、目的ではないこと、そして、国際政策を考えるに当たっては、立場の違う相手方の痛み、悲しみに共感できるか、そして、いざとなった時に相手の役に立つことができるのか、という観点で理念をつくるべき、と質問したわけです。

それに対して、区の答弁は、今年度中に議会や区民のご意見を伺いながら、国際政策の理念を明らかにする、と言われましたが、どうなっているのでしょうか。

一方で、先日、区から、「これからの国際交流のあり方」が示されました。

その中に、「世田谷区の国際化の基本理念」という項目があります。

「国際交流のあり方」の中に「国際化の基本理念」なるものがあること自体、疑問です。

順番が逆です。

さらには、その基本理念なるものが「世界をつなぐ

世代をつなぐ

世田谷がつなぐ

共に生きるまち

せたがや」となっています。

これ、リズムのいいスローガンでしか、ないのではないでしょうか

恥ずかしくなります。

スローガンと理念は異なるものです。

だいたい、つなぐ、つなぐ、と言われますが、なぜ、つながなくてはならないのか、その理由が示されていません。

「世界をつなぐ」ということに、世田谷にどのような意味があるのですか。世田谷区は国連ではありません。

言葉のお遊びです。

先ほどの、台湾からの民間寄附200億円は、調べてみれば、小学生が毎日自分のお小遣いを寄附するのを初めとして、ありとあらゆる方々が、日本は大変なことになっている、少しでも支援しよう、という大きな動きの現れだったのです。

そのほとんどの人が、日本に行ったこともない、日本人と話したこともない、日本語もわからない、という状況の中でこのようなことを実現したのです。

地域の国際化を言い、多文化共生をうたうならば、区の国際政策を、交流を基本とするのではなく、子どもにも夢を与えられ、世界の多くの人々とも心が通じ合える、そのようなもっと大きな概念、それを支える将来を見据えた理念を組み立て、着実に進めるべきと考えますが、副区長、感想を伺います。

いわゆる多文化共生条例について伺います。

区は、なぜ、報道等で、「国籍・民族の違いによる差別を解消する条例」とされることとなったとお考えですか。

私は、この第8条10号は、当初、所管から、これは、「ヘイトスピーチ対策である」と説明されました。

この観点から、条文から見て、「ヘイトスピーチを文化的偏見と捉えることはおかしいこと、もともと、文化的偏見なる領域に行政が口を挟むことはすべきではないこと」を主張しました。

一方で、報道機関の方々は、この条文の一番前と一番後の文言に注目し、その結果、「国籍・民族等による差別の解消」と読み取ったわけです。

条例は、区役所の担当者のものではなく、独り立ちして世の中に出て行くのです。

言い訳はきかないのですよ。

さらには、報道によれば、「国籍や民族による差別について苦情処理の仕組みを設けるのは珍しい」こと、そして「区は、ヘイトスピーチを伴う集会の施設使用の可否」を苦情処理委員会で扱うこととする、と書かれています。

まさか、このようなことを区が言うはずがないと思います。

「集会の使用の可否」などといったら、ことによっては、事前検閲ともとられかねないし、憲法問題に発展しかねない、そんなことを区が言うはずはない、と信頼しているのです。

さらに、この報道が出た後、ある区民から、「苦情処理委員って大変ですねえ、国籍人種差別を判断すると言うことでは、誰もやろうとする人がいないのではないですか」という質問を受けました。

まっとうな感想です。

しかし、条例は、独り立ちし、世の中に送り出されてしまった。

今後の区は、この条例が本来の目的のみを達するよう、最善の注意を払い、誤解を受けないよう、区民にそしてより広く、理解を求めていく努力を全力で行わねばならないと思いますが、お考えを伺います。

本庁舎のあり方と地域行政について伺います。

他会派の委員から、コンビニが、地域・地区とって、欠くべからざるものである、との話がありました。

当然とも思うのですが、議員としてまた別なことも、感じました。

コンビニほど、地区の行政施設は、区民の日常生活にとって、欠くべからざるものとはなっていないからです。

区民は、コンビニの本社がどこにあり、どんな形をしているか、など、全く関心がありません。

関係ないのですから。

コンビニの品物がそろっていればいいのですから。

一方、先日、他会派と人事部門の質疑においても、本庁舎の規模の問題、それから、支所の区民窓口での人員増加問題などが、やり取りされたが、実際に区民に直接関係する、コンビニレベル、地区の充実については議論されませんでした。

私が知りたいのは、このことについて、現場側はどのように考えているのか、ということです。

本庁舎の図面を見れば、多くの区民に来ていただき、窓口業務が的確にできるよう、作っていく、となっているし、総合支所においては、総合窓口ならぬ、くみん窓口などという中途半端な窓口を設置し、区民においでください、といっています。

区は、一体全体、困ったときの区民をどこで、受け止めようとしているのですか、そのことがわからないのです。

全体のビジョンが全く感じられません。

全体のビジョンというのは、もちろん、今の区役所の何をどう残すか、ということではなく、これから30年後、40年後の、区役所と一人ひとりの区民の関係です。

将来的に、区民の窓口はどこが担うのですか。

私は、歩いていける範囲内で基本的な日常生活が営むことができることを目標としています。

そのためには、地区の充実が行政の基本なのです。

本庁舎整備についても、まずは、今後は、地区レベルでは、このような形になる、それを支える総合支所は、このような形になる、これらを踏まえて、区を支える、本庁舎はこのような形になる、という、ビジョンを出すべきだと思うのです。

世田谷の特色は地域行政で現場主義のはずです。現場を受け持つ、総合支所の責任者としては、庁舎整備部門にどのような申し入れをしているのか、伺います。

一方、本庁にはありながらも、地域行政の担当である、地域行政担当は、同時に、庁舎整備にどのような話をしていますか。

産業政策について伺います。

コンビニを地区レベルで整備可能なように、これまで設置できなかった場所においても設置できる取り組みを進めるべきとのお話がありました。

コンビニが区民生活に欠かせない機能であれば当然とも思えますが、一方で、コンビニがある日突然、姿を消してしまう、という状況もあります。

コンビニだけに頼っていたのでは、やはり困る状況がでてくる、ということです。

ここで考えられるのは、地域の商店街です。

区内商店街を担当する、産業政策部門であればこそ、コンビニに頼ることなく、新たな形での商店街づくりについて、全力を傾けるべきではないでしょうか。

区の産業部門という存在は、区内産業の振興が役割でしょうが、行政ですから、当然に、産業振興の後ろに区民の実際の生活が見えているはずです。

ですから、産業ビジョンにおいて、「商店街は区民の日常生活を支える公共的役割を果た」す」とされているはずです。このことからは、既存の商店街の支援のみならず、これまで、商店街がないところに、コンビニを設置すればよい、という消極的な姿勢ではなく、積極的に商店街を創り出していく支援、誘導をする、という姿勢が必要ですが、お考えを伺います。

移動販売について伺います。

今回、公園での、移動販売の社会実験が行われ、今後制度化していくとの報告がなされたわけです。

しかし、私は、この公園での移動販売の試みは調べてみると、とても社会実験と言えるものではないといます。

社会実験と言えば、その実験が社会全体に与える影響を調べ、実現可能性と共に、波及効果がどこにあるか、それが、どう、成果に結びついていくか、検証することが必要なはずです。

でも、今回は、公園の中だけで、行われ、社会実験ではなく、単なる公園実験でした。

しかし、ある分野で、移動販売の社会実験をするという情報がであれば、産業政策部門としても、これまで課題となっていた買物不便地域への移動販売のありかたに活用できないか、同時に、実施できないかなど、積極的に、取り組むべきではないでしょうか。

区に提案すると、できない理由が10も20も出てくる。やるべきことではなく、できそうなところだけをやる、他の分野でもこのようなことがこのところ見られます。

今の区の体質そのものとも思われます。

この移動販売への取り組みについても、新たな気持ちでチャレンジしてみる、そのような気概が必要と思いますが、副区長いかがですか。

都市整備領域(3月15日)

都市政策としての人口問題について伺います。

区長は、このところ、ご挨拶で、世田谷の人口が90万人を超えた、そして、近い将来には、100万人に達するだろう、と言われます。

私が、聞きたいのは、そのあとなのです。

90万人を超えた大都市になったから、このようにする、近く100万人に達しそうだから、このようなことを考えている、これならば、わかりますが、単に90万に達した、100万に達しそうだと、週刊誌のマンション価格の記事のように、評論家のように言われても困ります。

だからどうする、ということが必要なのです。

今の基本構想を作っているときに、シンポジウムがあり、砧地域のある町会長が、「このごろ、近くでマンション建設が多くなり、環境が悪化してきている、世田谷区としての人口の適正規模は、どれくらいと考えているか」と質問しました。

適正規模には答えず、「環八外側には、土地が多くあるから、そこいら辺に、マンションを誘致すればよい」とパネリストに言われ、その町会長は、何を言っているのだ、と憤慨されていました。

ここにいるのは、都市整備部門の専門家ですから、政治家である区長とは異なり、58平方キロの世田谷での持続可能な発展を踏まえた人口の適正規模を問題提起することが必要と思いますが、いかが考えますか、という質問をしようとしましたが、どうも、お話を伺うと、とても、そんなことは考えられない、というようなことなので、今日のところは、宿題としておきます。

さて、その当時、区が地区別のコミュニティ度を発表しました。

一番コミュニティ度が低かったのが、砧地域のある地区でした。

その地区の町会長さんは、とても地域活動に熱心な方で、先ごろ、なくなられたわけですが、その方が、本当に怒っていました。

区は、何を評価しているのか、と。

そのコミュニティ度の判定の主な要素は、町会自治会への加入率であり、その地区に多く建ち始めた大規模マンションは、管理組合方式を採用し、自治組織もなく、ましてや、周囲の町会との連携など、全くない、と言うことだったのです。

これには、亡くなられた町会長さんも本当に心を痛められていました。

大規模災害が起きた時、あそこに入居している人たちはどうするんだろう、私たちはどのように連携すればよいのだろう、と。

そこで、区は以前で言えば、集合住宅指導要綱なのですが、一定規模以上の集合住宅の整備に当たっては、いざと言う時のためにも、自治会組織をつくり、さらには、その自治会組織が、地域の連合町会組織に加入する、ということが望ましい、ということを、区として表明し、理解を頂くべきです。

生活文化部とも関係しますので、副区長のお考えを伺います。

先ほどの、人口問題ですが、専門家は、自然増減とか社会増減などで分析されるのですが、どうも、しっくりしません。

私たちは、現場を持っているのですから、現場に根付いた考えをすべきです。

自分の生まれ育った場所、長くすみ続けた場所を、移転しなければならない、これは、本当に、悲しいことですが、例えば、公共事業のうち、区が責任を持って実施する道路事業で、どのくらいの立ち退きがなされ、そのうち、区内に引き続き住むことができたのは、どれくらいか、わかりますか。

この数字は、すごいものだと思うのです。区の努力を評価します。

一方で、例えば、外環道整備に伴う移転が、何世帯・何人で、どこへ転居されたかを、伺うと、全くわからない、教えてもらえない、とのことですが、そんなことでよいのでしょうか。

世田谷の魅力を高め、多くの人を呼び込みたい、などといっておきながら、外環道整備に伴う立ち退きなどについては、なんらの手段を持たない、どうぞ、好きなところへ行ってください、と言うことが、一人前の自治体の言うことでしょうか。

時間の関係で、これも宿題としておきます。

そこでですが、この大規模再開発に伴う立ち退きや、その他の事情による転出、空き家問題なども含め、大都市世田谷として、将来に向けて、区内での住み替え、ということを真剣に考えてみる時期が来ていると思います。

現実は、ワンルームマンションの増加や、高齢者・障害者の入居困難、LGBT問題、空き家問題など、住宅を巡る様々な問題が山積しています。

区は、ひとつひとつ誠実に対応していかなければならないわけですが、今は、対処療法だと思うのです。

区内の住宅資源を全体として把握し、流通も促進して、一般的な、住み替えが可能となるような仕組みを作っていく、その中で、個別の課題解決も同時に考えていく、そのような基本的姿勢が必要と考えますが、つまり、区として、住み替えということに、しっかりと向き合うべきと考えますが、副区長にお考えを伺います。

私は、歩いて暮らせるまちづくりを目指しています。

ところが区の地区まちづくりビジョンがわかりません。

本庁舎改築の案をみると、どうぞ、多くの区民の方においでください、と見えるし、総合支所のくみん窓口は、どうぞ、支所に来てください、と呼びかけている。

こうなると、区は、将来に渡り、区民にどこに行っていただきたい、と考えているのでしょうか。

私は、区民の方々には、地区の拠点である、まちづくりセンターに、積極的にきていただく、来ていただければ、手続きも相談もできますよ、ということを想定しています。

そのためには、何が、必要か。

トイレとベンチです。

それも、まちづくりセンターにいくため、ということで、計画的な配置が必要です。

このことについて、どのように考えるか、伺います。

さらに、区は、ユニバーサルデザインへの取り組みの中で、車椅子対応を行われていますが、疑問です。

車椅子対応は勿論必要なことですが、私は、それぞれの人が自立をめざす、頑張る、ということからも、自分で歩く、そのための補助用具としての介護用の歩行器の利用を大切なことと考えています。

歩行器ならば、ゆっくりとした動きであっても、自分で、移動できるからです。

区の担当の方とお話していましたら、歩行器は、車椅子よりも小さいから、大丈夫ですね、という話がありましたが、誤解です。

歩行器のほうが車輪が小さく、道路上の突起物や段差などが、より障害となるのです。

今後は、「歩行器を中心としたまちづくり」を行うべき、と考えますが、お考えを伺います。

野川の水質浄化について、伺います。

このことについては、他会派からも、指摘が出ておりましたが、長年にわたり、懸案となっているものです。

川は、上流から下流に向けて、途切れない流れであるし、そのそれぞれの流域の人々の生活を支えているものですから、その調整には、かなりの努力が必要になるはずです。

どれだけ、多くの関係者の方々に同じテーブルについていただき、問題点を共有できるか、ということにかかっていると思いますが、お考えを伺います。

道路工事の地元発注について伺います。

この、区内道路工事においては、災害対策等も踏まえ、地元業者との連携、その育成ということが大きなテーマになるはずです。

このようなことから、緊急業務などを、地元業者に担っていただく、総合的な仕組みを作ることを考えるべきではないか、と思いますが、お考えを伺います。

補充質疑(3月22日)

本庁舎問題について伺います。

この度、区は、本庁舎等整備基本方針(素案)を提出されました。

その主旨には、「21世紀半ばを長期にわたり区政を支える拠点となる本庁舎」とされています。

なるほど、では、区民を支えるのは、どこなのでしょうか。

区のおしらせ2月1日号で、「世田谷リング会議の区民委員募集」がなされていました。

「本庁舎等整備に関する検討」とはされているものの、何をする会議かは、読み取れません。

しかし、本庁舎の建替えにあたり、『区』が、『区民の意見』を聴く、と言うことだろう、と想像できます。

しかし、違います。

この会議は、なんと、「設計者自らが運営する」会議なのです。

そのことは、公募の段階では明らかにされていません。

このリング会議のことを尋ねると、区は、事業者の提案にあったので、その通りにやります、という、全く主体性のない返答です。

もし、リング会議なるものが本当に必要と考えるならば、「区」が主催する会議を開き、責任を持って運営すべきです。

さらに、この会議の疑問は、「区が設計予条件としてまとめた本庁舎等整備基本構想の内容やプロポーザルの提案の考え方が設計に反映されているかを、区民等に参加頂き確認することを目的とする」とされていることです。

設計が、基本構想にあっているかを、設計業者の運営する会議で検討する、一体、どういうことですか。

この文章を、ある専門家にお見せしたところ、普通ではない、世田谷区は、こんなことをやっているのですか、なにか、区と設計業者の間に特別な関係でもあるのですか、と聞かれました。

大体、このプロポーザルが、「提案を踏まえながら」基本設計を進めるとはいいながら、ほとんど、設計業者の提案そのものです。

区役所の大切な正面玄関についても、どこにあるのですか、と聞くと、それはこれからの検討です、と区は答えます。

正面玄関を作るくらいのことは、最初から、しっかりと言うべきです。

区の顔ですよ。

様々な質問をしても、ほとんど、納得のできる回答がない

設計業者と区と、どちらが主人公なのか、わかりません。

主体性を持って区が取り組むべきです。

さて、今回の区民参加については更なる問題があります。

区民参加の主旨が、「区民に親しまれる安全・安心な魅力ある本庁舎の整備」と言われますが、区民に親しまれる本庁舎とはどのような基本的なお考えなのですか。

今回の本庁舎整備計画では、本庁舎に区民がなるべくきていただくように考え、また、総合支所では、当初の約束とは異なり、人も経費もかけて、くみん窓口を展開しようとしています。

一体全体、区は、30年後、40年後において、区民に、どこの窓口に行っていただくのを基本としているのか。

その基本的な姿が見えないのです。

その考えがないと、本庁舎がどのようになるかと、区民に説明できないはずです。

私は、日常生活における基本的な事柄は、地区でできること、基本的な窓口は、身近なところにあることが必要であると考えています。

今、専門的で難しいと言っている窓口処理についても、今後は、情報処理技術を活用するなどして、地区レベルで、申請、相談等が可能となるよう、実現を図っていくべきです。

つまり、近い将来、手続きや相談などで区役所本庁舎へわざわざ出向く必要はなくなるはずです。

つまり、本庁舎の機能が変わるのです。

区は、30年後、40年後の区政における区民への窓口対応は、どのような形になっているか、区民をどこの窓口でお迎えするか、そのことをまず、お答えください。

その考えなくしては、区民は、本庁舎がどうあるべきかの議論ができないはずです。

区のお考えを伺います。

今回の民泊の論議において、「制限する期間を緩和しても区民の生活環境が悪化するおそれがないと区長が認める区域においては制限を緩和できる」とされています。

この区長とは、勿論、区長個人ではなく、行政機関としての区長という機関ですから、「区民の生活環境が悪化する恐れがあるかどうか」は、ある所管が判断するわけです。

この「区民の生活環境が悪化するか」ということを、今の区のどの所管が、どのような判断で、行うのでしょうか。

私は、無理だと思います。今の区は、地区の実態を把握できる体制にはなっていないからです。

以前の出張所は、曲がりなりにも、地区の中心でした。そこでは、地区の現状もおおよそわかったわけですが、その後、今のまちづくりセンターの体制になってからは、」窓口もなくなり、まちづくりセンターとは名ばかりで、ほとんど、地区の実情はわからなくなっている、それが現状です。

最も身近な地区ですらわからないのに、「区民の生活環境が悪化するか」を区がどのように判断するのか、伺います。

さらに問題は、条例を運用する、ガイドラインです。

条例では、区長が、「期間を緩和しても区民の生活環境を悪化するおそれがないか」認めるとされていますが、ガイドラインによれば、区長の判断基準は、「期間延長の説明をした周辺住民の範囲」、「周辺住民の意見」「事業者と周辺住民との話合いを踏まえて実施する生活環境の悪化を防止するための措置」となっています。

これ、疑問です。

区長が、あるいは区が、主体的に「区民の生活環境を悪化させるかどうか判断すべき」なところ、自分では判断せず、事業者からだされる申出書の、周辺住民の対応に任せているのです。

周辺住民が了解すれば、区長は、認める、これは、区民への丸投げではないですか。

問題です。

この仕組みを展開しようとすると、結局は、区民同士のチェックの重要性が増す、つまり、区民同士で、見張り合いをしろ、それを、区が推奨することとなるのです。

区の基本構想では、「信頼関係に支えられて誰もが安心して暮らすことができる都市の実現を目指す」となっています。

安心して暮らす、ということは、不安なく、余計なことは考えずに、ということが入っているはずです。

しかし区は、今回は、地域で「見張り合え」、「その責任は自分たちで担え」と言っているようなものです。

「支えあい、見守りあい」と区は言われます。

その根底にあるのは、信頼です。

信頼できるかどうか、自分たちで判断しろ、と言っているのは、見張り合いを行えと言っていることと、同じです。

世田谷区が、このようなことでよいのでしょうか、お考えを伺います。

今の世田谷区は、本当に、理念ということが感じられません。

残念です。

次に、2020大会について伺います。

東京オリンピック開会式まで、今日で855日とのことです。

オリパラまで2年、プレ大会を考えると、あと一年、という時期ですが、区の取り組みが全く見えてきません。

東京都、あるいは組織委員会との調整、一方で、ボランティア活動などについては、それぞれ、的確に支援、機運を盛り上げていく、とは言うものの、では、区は、主体的に何をしようとしているのか、それが見えないのです。

具体的に、時期を定めて、多くの区民が集まり、心を一つにする、というような、大規模イベントを開催する、このような取り組みが必要と考えます。

具体的な答弁を求めます。

最後に、区の基本的な姿勢について申し上げます。

NPOや、様々な区民団体は、その得意分野からやれば、良いのです。

行政の下働きではないのですから。

一方で、株式会社は、収益の上がる分野からやればよい。

収益を上げて税金を払い、雇用を確保するのですから。

このようなことで世の中は発展していくのです。

その中で、行政は、できる所、できそうなことではなく、やらなければならない課題から取り組まねばならないはずです。

それを、今の区は、勘違いしているように感じられてなりません。

できそうなところから、手を付けようとして、それが検討不足でまたできなくなる、あるいは、対処療法で条件を出してみたものの、全体の中では、とても、疑問のある、施策・事業となっている、この繰り返しです。

ぜひとも、信頼できる区政運営を全力で行っていただきたい、そのことを申し上げて、質問を終わります。